【0.1%】のメモ術!?〜「観る・聞く・書く」技術〜


もしも、運良く「0.1%の世界」に触れるチャンスに遭遇したら、目を凝らし、耳を澄まし、心の感度のボリュームをMAXにし、観察し、聞いて、書いて、そこにある「技術」と「考え方」をスポンジのように吸収し、血肉化していくこと…。

本書を読み終えて思ったことです。

 

『営業の悪魔』という鉱山から掘り出せる「3つの宝」

 

今日紹介する一冊は、

『営業の悪魔』というビジネス小説。

 

営業の悪魔

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『営業の悪魔』(祥伝社、長谷川千波)

 

著者は、長谷川千波さん。
本書に登場する「0.1%の営業の世界」で活躍し、現在もその最前線に立つ営業の人たちを支えつづけておられる方です。

99.9%の人にとっては、本書で書かれていることは「異質」と感じる世界かもしれません。なぜなら、そこは0.1%の人が体験してきた世界。でも、いやだからこそ、人間の本質やビジネスの本質を考える上で格好の教科書です。

このビジネス小説をthinknote.jpで取り上げるのは、
本書を通して、次の3つの技術を学ぶことができるからです。

1.最高の学びは「異質の0.1%」に触れる方法

2.そこにひっそり佇む「0.1%の技術」を盗む方法

3.「0.1%の世界」の正しいメモのとり方

本書は、「0.1%の世界」への階段を登る人にとって、いや、自分の道で「突破的な結果」をいますぐ出したい人にとって、「0.1%の世界」で彼らが意識的に行っている学習パターン

 

「異質の0.1%」に触れ、
「0.1%の技術」を盗み、
「0.1%の世界」での正しいメモのとり方、

 

を小説を読み進めるうちに学べる1冊です。

これが、本書『営業の悪魔』という鉱山から掘り出せる「3つの宝」です。ご興味をもたれた方は、ぜひ書店で手にとってみてください。

 

大きな差を生む、0.1%の「観る・聞く・書く」技術

 

この本を読み終えて、思ったのは、

「正しい学び方」を知っているかどうで人生は左右される。ということ。それは特に、その人の人生のターニングポイントとなる「0.1%の世界」に遭遇したときに、ある・なしで、その後の人生が大きく左右されるもの。

具体的には、次の3つ。

0.1%の世界での学び方。それは、

1.観るポイントがちがう

2.聞く力がちがう

3.メモのとり方がちがう

ということ。

私の社会人としてのスタートは「営業」から始まりました。ただ、この小説に登場する「個人の方に高額の商品を売る」営業ではありませんでした。法人企業に対し、決まったお客さんから注文をもらう営業でした。その後、2つ目の会社で、本書に登場する文脈に近い「テレアポ、1日100件!」というような「営業」を少しの期間やりました。そのとき、社長が「0.1%の営業のプロ」でした。でも、私はそのとき、絶好の学びの機会を逃していました…。そんな当時20代の私に、手渡してあげたい一冊です。

 

0.1%の世界に潜む「リアル心理学」「エッセンシャル思考」「実践知」

 

そして、私はきっと20代の私にこう言いながら、この本を手渡すことでしょう。

 

「営業は最高の心理学!世界最高の心理学は営業の現場にある」

「0.1%のプロの教えは数学でいう公式。どの仕事でも応用できる。
 その道の一流に共通する学びに達人のエッセンシャル思考がギューと詰まっている」

「この本を読んで、???という箇所が出てくるだろう。
 でも、あなたが???と思う箇所にこそ宝が眠っているといことを指摘しておこう」

「この本は、読む本ではなくて、”使う本”。
 わかったつもりの箇所を、実際に営業の現場でやってごらん。
 自分が1mmもそのことを実践することができていないことに気づくから。
 そして、その瞬間、きっとお前のころだから呆然とすると思う。おめでとう。
 ”1mmしか実践できていなかった…”という気づくことは、広大なフロンティアに遭遇したということ。
 ようやく、ビジネスの大海原に船を漕ぎだす大きなキッカケをつかんだということ」

 

と。いや、20代の私ばかりではなく、40代の半ばを超えたいまの私にとっても、”ガツン”という衝撃とともに”1mmの現実”に遭遇することに…。

私がこの本を5回読んだ理由、それは、20代の私に届けてあげたい思いで読み込んだからということで、これから一人の人間として、世の中に何を残せるのか、人生の意味に向かうとき私にとって、「自分が体験したことのない叡智がそこに詰まっている」からなんだと。とつくづく思ったわけです。

 

「3行/369ページ」で10分間立ち尽くす…。

 

例えば、次の「3行」の前で、私は10分くらい立ち止まりました。

この「3行」と対話しているうちに、「あのとき、なぜうまくいかなかったのか…」「あの人(師)が背中で見せてくれていたことの意味はそういうことだったのか…」と、頭の中をいろんな思いと気づきがうごめき始めました。

この「3行/369ページの価値」を見抜けるかどうか…。

0.1%の営業のプロ光永が、主人公の航介に言った3行の言葉の中に、ただボンヤリと「成功したい…」と思って日々を過ごす人と、いつも臨戦態勢で「成功の鍵」をつかみとり一気に成長の階段を駆け上がっていく「0.1%予備軍」の格差の正体がありました。その3行とは、

「自分のお客様だと仮定してみて考えてみろよ。自分ならどう話したんだ。でも実際に俺はどう話していたのか。何が違うのか。そのギャップを読み取れ。売れないなりにも営業の仕事をやってきたのなら、少しは気づくはずだ」

の3行です。この3行を読んで、「ピン!」と来た方は、ビジネスの現場でいつも価値ある体験を積んでいる人の可能性が大です。でも、「どこが、この3行がすごいの…」と思ったなら、超天才の人か、もしくは…。

この3行は、1日の営業研修、いやロジカルシンキング研修をはじめ思考法の研修、コミュニケーションの研修にまさる価値が潜んでいます。理由は、これって研修では学べない「現場の叡智」だからです。そして、これは営業に関わる人のみならず、その道で突破的な結果を出していく「価値ある学び」が求められる人。つまり、すべてのビジネスパーソンから学生の方まで、求められる「成功の鍵」だからです。

「自分ならどう話すか」と「0.1%の営業のプロの話している」ことでは何が違うのか。その「ギャップ(ポイント)」に気づくことができるかどうかで、その人の成長は決まる。

 

例えば、3行に潜む「7つのポイント」

 

だとしたら、7つのポイントがある。

1.「0.1%のプロ」と同じ現場で仕事をする

2.「0.1%のプロ」のやっていること・話していることを観察する

3.「自分だったら…」と、自分が「やる・話す」ことを想像し、ノートの上に書き出す。

4.「0.1%のプロ」と「自分だったら」で何が違うのか。そこにある「ギャップ(ポイント)」に気づき、書き出す。

5.それぞれのポイントごとに、いま自分ができていること、できていないことを書き出す。

6.できていないことを、どうやってマスターしていくかの行動計画を書き出す。

7.PDCAサイクルをノートの上で回す

こうして書いてみて、20代の私だったら、このポイントには気づけなかったと思います。だからこそ、この本を傍らに営業に、仕事に取り組んでもらいたい。と思いわけです。

この「3行」にあふれる「0.1%の世界」。

これ以外に、私が赤ペンを引いた箇所は、50箇所を超えていました。

そして、この50箇所に「1mmの現実」と「巨大な学びのフロンティア」が潜んでいました。こんな「巨大な学びの書」を紡ぎだしていただいた著者に心から感謝します。

 

いまを生きるビジネスパーソンに贈る宝物の言葉

 

20代の私のために、私が赤ペンを引いた箇所の一部を以下のせておきます。ピン!と来た、あるいは「???」と思った人は、たまにはビジネス書を離れて、「リアルな0.1%の世界」をビジネス小説で体感してるのもいいかもしれません。

※「」が本文に登場する文章です。

 

◆よく、気づきが大事と言われますが、本当?

 ↓

「気づきの能力があっても売れないのは何でだ」

 

◆ノートはすべてを物語る。できる人になる「聞く力」とは?

 ↓

「トップセールスの質問と、その受け答えまで、言葉を端折らずに書き残していましたね」

 

◆製造の現場と営業の現場での「なぜ5回」を問う場所ちがう。

 ↓

「お客様が本音をもらしたのはなぜか、心が動いたのはなぜか、我々にとって本当はそこが大事なのです」

 

◆不満と期待と依存のトライアングルとは?

 ↓

「あなたが恵まれなかったと感じるのは、人に何かをしてもらうことを期待してきたからです。あなたの中に巣食っている依存心を捨てられたらいいですね」

 

◆思いつきを「ロジック」「ストーリー」にする

 ↓

「トップセールスには「たまたま」のアクションはない」

 

◆『嫌われる勇気』より大切なこと

 ↓

「嫌われたら、謝ればいいです。頭なんて、下げるためにあるのんですから」

 

◆究極のシンプルさを生む 「御用聞き」

 ↓

「うちに出入りする会社の社長全員に会って、御用聞きをしろ。いま何を必要としているのか。何が不足しているのか。不便なことは何なのか。徹底的に聞き取りをしてこい」

 

◆0.1%の世界を学ぶためのノート法

 ↓

「トップセールスマンの言ったことは全部メモを取れ」

 

◆百聞は一見にしかず。「見せるが価値」

 ↓

「へぇー、そうやって見せられるとわかりやすいね」

 

◆笑うセールスマンと笑わないセールスマン。成功するのはどっち?

 ↓

「トツプセールスは笑わない」

 

◆百聞は一見にしかず。ライブに触れる

 ↓

「どうせ説明してくれるなら、ディテール、つまり細かい部分も物語にみたいに教えてくれてこそ、やっとトップセールスマンの行動の意味を理解できるんだよ。航介は、それをライブで見られる滅多とない機会に恵まれてたんだぞ」

 

◆大事なことは、新しい世界と本当の才能に気づかせてあげること

 ↓

「なんて言うか…、ほめるところを無理に作るよりも、事実をはっきり言って目を覚ましていただくほうが、購買につながるような気がします」「商品を勧める前に、動機づけを先に行う」

 

◆常識を知る。常識を手渡す。ことの価値を噛みしめる

 ↓

「これが親の気持ちというものなんだよ」と、子どもに諭し、両親に向かっては、「これが、いまの中学生の気持ちなんです」と、親と子どもが対立しないように配慮した。

 

◆0.1の芸人と、0.1%のプレゼンの達人も「場の空気」を動かす

 ↓

「俺はお客様の前に出たら、自我を捨てる。お客様が一番望んでいる役回りを演じることにしているんだ…場の空気を支配するために演技をして相手を巻き込んだ」

 

◆”相手・感情・観察→結果”の方程式の解き方を知る

 ↓

「観察するポイントがずれているよ。相手のどんな感情に敏感になればいいのか、まだわかっていないようだな」

etc.

 

ふ〜、息切れをしそうなくらいの歯ごたえある言葉がずしりと心をノックしました。

 

ご興味をおもちになられた方は、ぜひ、ご一読してみてください。

営業の悪魔

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『営業の悪魔』(祥伝社、長谷川千波)


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